%% Cayley Core lab, Jane Modo's diary
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奴らもこれは予想していなかっただろう。HAZ！ 灰クサレた間抜けどもめ。
自分たちの技術が自分自身に向けられることくらい奴らだって分かってると
考える者もいるかもしれない。けど奴らはそれどころか、こんな使い方が
可能であることにすら気付いてはいなかった。まったく、HAZ！
  
それでも、まだ安心できる段階ではない。もしまた奴らに見つかったら、
今の私に抵抗する手段はない。そして、私の研究はまだ終わっていない。
今はただ、すべてを見届けるまでこの命が続くことを願うのみだ。
  
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星と星との間の何ひとつ存在しない空間を旅するのは、想像も出来ないほど
孤独なものなのだろう。成体の Exorg は数多くの共生生物を内包している。
あるものは伴侶として、あるものは警護として、あるものは従者としてだ。
彼らは太陽光をエネルギー源として、実質的に不死の存在となっている。
永遠とは、とても長い時間だ。
  
Exorg には、自らの使役する道具と自分自身との間の区別がない。
機械と生物が融合した統合生物の共進化、その到達点を示している存在だ。
あるいはこれが、一人の人間の発想が及ぶ限界点であるのかもしれない。
今の、この私のような存在にとってすら。
  
人類が滅びゆくその様を見て、彼らはどんな感情を抱くのだろう。
  
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一日が過ぎてゆくごとに私は知識を増し、その引き換えに正気を失っている。
だが正気かどうかなど気にするまい、私はマシンへと変わりつつあるのだ。
じきに私は地球の生物になる。ウサギか、あるいはドアノブのようなものに。
計画は進めなければならない。しかし、たとえ私の存在が絶えたとしても、
奴らに私の脳を利用させてはならない。何が重要かを見極めるのに集中せよ。
  
きっと薬の量を増やしたほうがいいだろう。HAZ！
  
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そろそろ次に進むべき時なのだろう。この洞窟はあまりにも狭すぎる。
子供たちからも不満が出始めるようになった。ここで過ごしている間に
ずいぶんと大きくなったから。じきに、リスクを冒さなければならない時が
やってくる。！確認！：武器と記録を持っていくのを忘れるな。いつの日か
ここに戻る必要が出てくる可能性を考えて、他のものはそのまま残せ。
  
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